手をつないで歩くことは、
ちいさな子供やお年寄りには
とても現実的な「身の守り」です。
では、大人同士ならどうでしょうか。
大人同士でも多分、
その心の中に、
様々な「効果」がもたらされるものだと思います。
単なる愛情表現とか、
楽しみのための行為に留まらない、
(それも十分大事なのですが)
もっとリアルな、
切実な「必要性」が存在するのではないかと思います。
寄り添って歩みを確かにすることや、
お互いの信頼を確かめ合うこと、
お互いがそこに生きて存在し、
相手を支える意志があるということ。
そういうことを、
今週、たとえば
「手を繋ぐ」ようなかたちで、
実現できるのではないかと思います。
今週以降、
あなたは人との関わりの中で
たくさんの愛を感じることが出来るはずなのですが、
そこには特に、
人間が生き抜いていくこと、
この現実を引き受けて渡っていくこと、
辛いことをなんとか片付けて、
世の中と調整し合いながら「やっていく」ことを可能にするための、
ごく現実的な力を与え合う、
というプロセスが含まれているはずなのです。

- 作者:石井 ゆかり
- 出版社/メーカー: 幻冬舎コミックス
- 発売日: 2019/10/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)