子どもの頃に憧れたヒーローと、
成長してから同じような活躍ができるとしたら、
とても嬉しい気持ちになれるだろうと思います。
目標は多くの場合、
そんなふうに、記憶と結びついています。
食事をするのはこれから未来に向かって元気に生きていくためですが、
「大好物」は過去の経験の中にしかありません。
食べたことのないものを「好物」として選ぶことはできません。
せいぜい、好奇心から「食べてみたい!」という程度か、
または、誰かの高評価に影響されて選べるくらいです。
未来に向かって行くために、
過去から養分を吸い上げる、ということは、
よくあります。
たとえば旅行に行こうとして、
目的地を決めるとき、
「どこに行きたいと思っていたんだっけ」と
記憶の引き出しをどんどん開けていく
といった作業をしたことがある人もいるはずです。
幼い頃の願いを
「いつか叶えよう」
という思いが、
その人の人生全体を引っ張っていくこともあるのです。
「こうしたい」という未来への思いは、
しばしば、過去の土壌に深く根を張っています。
今週、あなたの過去の財産の中に、
現在から未来に向かうための素敵な計画表がみつかるかもしれません。
あるいは、ふと思い出したことがきっかけで、
突然、未来への扉が開くことになるのかもしれません。
その際の「カギ」となるものは、
単なるイメージや記憶だけでなく、
それらと強く結びついた、
手で触れる「モノ」なのではないかという気もします。
週末、新しい仲間や友に出会える気配もあります。
たとえば、偶然同じキーホルダーを持っていて、
それを見つけて会話が始まる
というように、ここでも
「モノ」が媒介となるのかもしれません。

- 作者:石井ゆかり
- 出版社/メーカー: すみれ書房
- 発売日: 2019/09/03
- メディア: 単行本(ソフトカバー)