2017/11/6-11/12 蟹座の空模様

優等生が完全に優等生のままで生き続けていったら
たぶん、どこかで辛くなってくるでしょう。
逆に、怠け者が純粋に怠け者のままで生きていっても
やはり、どこかで苦しくなってくるのではないかと思います。
私たちはだれもが、
自分の個性をある程度自覚しながらも
その個性から少しだけ「脱線」したい
という衝動を
心の中に抱いているのではないでしょうか。
「脱線」することで
ある種のバランスがとれたり、
緊張がやわらいだり、
ガスが抜けたり、といったことが起こります。
ワーカホリックな人でも
時には休養をとらなければなりません。
節制をモットーとしている人でも
ときどき、不摂生なものを食べて心を落ち着ける
という習慣があったりします。
自己犠牲のカタマリのような人でも
ときにはワガママをしないと、精神が危険にさらされます。
「良い子」や「真面目な人」ほど陥りやすい問題がある
ということは、しばしば指摘されます。
病気になって初めて
「脱線しなさすぎた」ことを後悔する人もいます。
「完全にいつも通りなら大丈夫」ではないのです。
金属疲労のようなことが起こらないためには
ときどき、少し別な生き方をしなければならないものだと思います。

そんな「人生の脱線」は
ささやかな寄り道もあれば、
人生全体を危険にさらすようなものとなる場合もあります。
私たちの人生や「心」は
自分で思うよりずっと、様々な危険の中を生きています。
場合によっては
「完全に安全に生きよう」
としたことが原因で、
盛大に人生の落とし穴に落ちる人さえいます。

今週以降、
あなたは普段の自分の軌道を少し、あるいは大きく
「脱線」したくなるかもしれません。
それはとても大切で、必要なことであるはずですが
同時に、多少のリスクをはらんでいるかもしれません。
もとい、「リスクがある」からこそ
その脱線があなたの人生に
新しい活力をもたらすのだと思います。
ホラー映画を見たり、絶叫マシーンに乗ったりすることが
なぜ「遊び」なのか
冷静に考えれば不思議なのですが
私たちの心はなにか過剰なものやヒリヒリするような刺激を得て
はじめて息を吹き返す
というところがあるのだろうと思います。